5年ほど前に日陰を作る目的のために植えたクイーンニーナ。仕事等の関係でまともな管理が出来ず、そのため今まで実が全くつかず、実がついてもほぼ食べられない状況でした。昨年からコロナの関係で在宅勤務となり、昨年は途中から管理から始めましたが、病害にひどくやられてしまい結局2つしか実がまともに付きませんでした。
そのため、今年は病気対策も踏まえた上で、本格的に育ててみることにしました。
結構、葡萄は病気には特に弱いようで、ちゃんと防除なりしないと、まともに育たないみたいです。特に黒とう病、晩腐病、べと病は重要な防除が必要なようです。でも、仕事がまだある関係でつきっきりの管理は不可能。無農薬はほぼ無理だろうと思い、家庭菜園の環境でも使えそうな農薬を使い、防除を徹底することにしました。
取りあえず、害虫についてはできる限り、テデトールを採用。とはいえ、葡萄害虫の一匹である「チャノキイロアザミウマ」をテデトールするのは無理だろうとは思うので、小袋入りしている害虫薬を使うことにしました。なお、防除として使った農薬は以下の通りです
殺菌剤
- GFベンレート水和剤(3月18日) 200倍 黒とう病、晩腐病対策(治療・予防薬)
- GFベンレート水和剤(5月31日) 2000倍 黒とう病、晩腐病、うどんこ病、灰色かび病対策(治療・予防薬)
- サンケイオーソサイド水和剤(4月19日、5月17日) 800倍 黒とう病、晩腐病、べと病対策(予防薬)
- ジマンダイセン水和剤(5月3日、5月31日) 1000倍 黒とう病、晩腐病、べと病対策(予防薬)
- ICボルドー66D(6月15日、6月26日、7月30日) 50倍 べと病、さび病対策(予防薬)
- オンリーワンフロアブル(5月17日、7月10日)2000倍 黒とう病、晩腐病、さび病、うどんこ病、灰色かび病対策(治療・予防薬)
殺虫剤
- ベニカ水和剤(5月31日、6月15日、7月10日)2000倍
重点防除期間
- 黒とう病(4月~6月下旬) 特に新梢に出やすいらしい。出ると枝を切り処分しまくらないとだめで成長に多大な影響を与えるので、早めの防除が必要とのこと。実に発症すると黒い点々が付きます。葉や枝が熟成(堅くなる)と、感染しないそうです。なお、欧州系(緑の葡萄系)は特に発症しやすいそうです。サンケイオーソサイド水和剤、ジマンダイセン水和剤を基本防除として使い、発症した場合は治療薬のGFベンレート水和剤、オンリーワンフロアブルを活用するようにしてみました。
- 晩腐病(4月~6月下旬) 「おそぐされびょう」が正しい読みだそうです。「ばんぷびょう」とも読みます。初回防除により、梅雨明けぐらいの発症を抑えられる模様。梅雨明け以後、実が腐るようです。サンケイオーソサイド水和剤、ジマンダイセン水和剤で基本は防げそうですね。発症したら、治療効果もあるGFベンレート水和剤、オンリーワンフロアブルを活用するようにしてみました。
- べと病(5月以降) 発芽から落葉まで防除時期が長いのがこれな模様。主に梅雨明けからが発症の本番。べと病対策は5月からずっと対策すると思った方がいいみたい。防除してても完全には防げないのですね。今年梅雨明け時期からちらほらでてます。袋掛け後は、ボルドー関係で防除(回数制限無し)が基本な模様。サンケイオーソサイド水和剤、ジマンダイセン水和剤、ICボルドー66Dがメイン防除体制です。残念ながらベト病の治療薬は、小袋にされているもの、少ない量(100g/250g等)のパッケージはない模様。
- 褐斑病(5月~6月中旬頃まで?) ベト病とこの「かっぱんびょう」との違いがわからないので、なんとも。ただ、早い時期に出るようで、感染が多くなると落葉が早まるようです。それっぽいかなー?というのはちらほら見かけます。サンケイオーソサイド水和剤、ジマンダイセン水和剤で防除できます。GFベンレート水和剤、オンリーワンフロアブルで治療できます。
- さび病(6月中旬以降) 黄色くなって、点々と黒い部分が現れ、落葉する?みたいな感じらしいです。着色期(ベレゾーン期)から出てくる模様。ただの生理現象なのかこの病気なのか、素人では見ただけで判断できませんね。サンケイオーソサイド水和剤、ジマンダイセン水和剤で防除できます。オンリーワンフロアブルで治療できます。残念ながら、GFベンレート水和剤はさび病に効果が無く使えないのと、さび病発症が6月中旬以降になるようなので、使用期限の長いのは使えないです。オンリーワンフロアブルだけが今唯一の防除策(収穫前日まで使用可能)なので、状況を見て対策検討。
- 灰色かび病(6月中旬以降) 梅雨時期に多い模様?他の植物でもよくある病気でもあるみたい。サンケイオーソサイド水和剤で防除可能。GFベンレート水和剤、オンリーワンフロアブルで治療・防除できるようです。
- うどんこ病(6月中旬以降) 梅雨時期以降前後に多い。温度や湿度に関係あるみたい。灰色かび病と同じく他の植物でも良く出る。GFベンレート水和剤、オンリーワンフロアブルで治療・防除可能。重曹でも治療可能らしいです?
成長記録



以前見られた、黒とう病が見られず。



顆粒選定にはちょっと早かったかもしれない…。結果、切ったところが黒ずむ結果に…。黒とう病かなと思ったけども、ちょっと違いそう?

無事開花が始まる

満開がちらほら出てきたので、ジベレリン(25ppm)処理1回目の開始。残念ながらフルメットは手に入らなかったので、今年は試せてないです。

無事、膨らみ始める。ただ、いびつなのが多め

ジベレリン2回目処理を終えて、農薬散布後、速攻で袋がけ。チャノキイロアザミウマなどの害虫対策がほぼされていないためです

大きさはこのぐらい。7月に入ると、肥大期は収まるので、このぐらいが7月末ぐらいまで続きます。なお、この日から、副梢取が毎日入ってきます…

ICボルドー66Dを散布したので真っ白に。1kgの量が、モノタロウで売っていたのでこちら購入しましたが、無くなったら違う銅剤に変えよう。真っ白になるのはあれだ。いろいろ真っ白になるから辛い。
今年は、黒とう病の感染が完全になかった。屋根を付けたのが良かったのかもしれない。次はベト病が脅威になる。今年の梅雨はかなり長かったので、灰色かび病などもやばいかな?と思ったけれども、まだ大丈夫そう。

これ、病気?かな???結局、広がりはしなかったんですが…


今のところ、大きな病気のようなのは出ていない。というか、もう整理が出来てない気がする…

ベレーゾン期を迎え、着色が始まりました。

中の葡萄も着色が始まってますが、お尻が割れてます。水が多いのかな。あと、やっぱり汚れ?(日焼け?それともチャノキイロアザミウマ二吸われたか??)が多い気がします

一気に赤くなってきました。まだまだ緑色してるところもありますが。調べてみると、葡萄は、先端側から着色していく感じで、収穫していくことで徐々に内側が染まっていく感じですね。つまり、葡萄狩りなどにいったら、先端のを取ると熟していておいしい可能性があると言うことでしょうか…

袋の中の葡萄も結構赤くなってきました。AQUOS Sense 4、赤みが強く出やすいのか、写真よりはまだ薄いです

テストを兼ねて、2つほど、透明袋に変えてみました。着色速度に変化があるのだろうかと思って。

もう一つの方は、既にやや着色してます

大きなベト病も発生してないので、昨年に比べると順調です。

こちら昨年の状況。葉がほぼ無い状況です。黒とう病、ベト病で完膚なきに死にました。

昨年は実もかなり汚れていたりします

今年は順調に25個の葡萄が実ってます